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皮膚病診療 2026年 04月号 [雑誌]

皮膚病診療 2026年 04月号 [雑誌]

特集 神経線維腫症up to date
(久保 亮治 編集委員)

神経線維腫症(NF1)に伴う叢状神経線維腫に対して,MEK阻害薬セルメチニブが保険適用となり,NF1診療に新しい時代が訪れつつある.さまざまな先天性/遺伝性希少疾患において,その病態を形成する分子機序が次々と明らかにされ,分子病態形成機序に基づいた特異的な治療薬(遺伝子治療薬,抗体製剤,低分子治療薬,ワクチンなど)が開発され実用化されていく現代は,私が皮膚科医になった30年前とは隔世の感がある.
一方で,医学の知識量/情報量が丸暗記ではまったく対応できないほど膨大となったいまは,医師には最新の研究成果を即座に読み解くことができる基礎医学の基礎体力が必要とされる時代である.AIが渉猟してきてくれる情報を読み解き,真贋を見極めたうえで自らの血肉として身につけ,病態形成機序に基づいた診療へと結びつけることができる基礎体力があるかどうかによって,医師ごとの診療能力の差はますます顕著になっていくのではないだろうか.医師という職業を選んだときから,一生勉強し続けるしかない(そうでなければ患者に不利益をもたらしてしまう)「働いて,働いて,働いて」いくしかない運命を背負ってしまっている私たちではあるが,人生を楽しみながらその目標を実現するためには,若いときにしっかりと基礎医学の基礎体力を付けておくことが,今後ますます重要になっていくと(これは自分の経験に基づく極めて個人的な感想ではあるが)実感している.1人でも多くの皮膚科専攻医が大学院に進学し,AI時代を生き残る基礎体力を身につけてほしいと願う次第である.
さて,本特集では,NF1診療の現在地を確かめることができる総説・症例を取り揃えさせていただいた.著者の皆様には心から感謝したい.次世代シーケンシングによる病的バリアント検索と,NF1遺伝子座を含む染色体の大規模欠失を捉えることが可能なCGHアレイのいずれもが保険適用となったことで,診断精度も向上している.さらに,モザイク症例の診断に有用な病変部メラノサイトの初代培養細胞を用いた遺伝学的診断方法,NF1における脊柱変形,神経線維腫形成に必要な腫瘍微小環境やマスト細胞をターゲットとした新規治療の探索についても紹介する.NF1にはさまざまな非典型例があるが,その背景にはそれぞれの非典型例に固有の病態形成機序が存在し,それを正しく読み解くことで,診断から治療へと結びつけることが可能な時代になりつつある.一方で,NF1における乳癌リスクや悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)リスクなど,知識としてアップデートし続けなければならない情報も数多い.1人1人の患者と丁寧に向き合うことの重要性もまた,増している.本特集を通じて,NF1診療のアップデートに少しでも貢献することができれば幸いである.
$1,056.00

Original: $3,520.00

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皮膚病診療 2026年 04月号 [雑誌]

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Description

特集 神経線維腫症up to date
(久保 亮治 編集委員)

神経線維腫症(NF1)に伴う叢状神経線維腫に対して,MEK阻害薬セルメチニブが保険適用となり,NF1診療に新しい時代が訪れつつある.さまざまな先天性/遺伝性希少疾患において,その病態を形成する分子機序が次々と明らかにされ,分子病態形成機序に基づいた特異的な治療薬(遺伝子治療薬,抗体製剤,低分子治療薬,ワクチンなど)が開発され実用化されていく現代は,私が皮膚科医になった30年前とは隔世の感がある.
一方で,医学の知識量/情報量が丸暗記ではまったく対応できないほど膨大となったいまは,医師には最新の研究成果を即座に読み解くことができる基礎医学の基礎体力が必要とされる時代である.AIが渉猟してきてくれる情報を読み解き,真贋を見極めたうえで自らの血肉として身につけ,病態形成機序に基づいた診療へと結びつけることができる基礎体力があるかどうかによって,医師ごとの診療能力の差はますます顕著になっていくのではないだろうか.医師という職業を選んだときから,一生勉強し続けるしかない(そうでなければ患者に不利益をもたらしてしまう)「働いて,働いて,働いて」いくしかない運命を背負ってしまっている私たちではあるが,人生を楽しみながらその目標を実現するためには,若いときにしっかりと基礎医学の基礎体力を付けておくことが,今後ますます重要になっていくと(これは自分の経験に基づく極めて個人的な感想ではあるが)実感している.1人でも多くの皮膚科専攻医が大学院に進学し,AI時代を生き残る基礎体力を身につけてほしいと願う次第である.
さて,本特集では,NF1診療の現在地を確かめることができる総説・症例を取り揃えさせていただいた.著者の皆様には心から感謝したい.次世代シーケンシングによる病的バリアント検索と,NF1遺伝子座を含む染色体の大規模欠失を捉えることが可能なCGHアレイのいずれもが保険適用となったことで,診断精度も向上している.さらに,モザイク症例の診断に有用な病変部メラノサイトの初代培養細胞を用いた遺伝学的診断方法,NF1における脊柱変形,神経線維腫形成に必要な腫瘍微小環境やマスト細胞をターゲットとした新規治療の探索についても紹介する.NF1にはさまざまな非典型例があるが,その背景にはそれぞれの非典型例に固有の病態形成機序が存在し,それを正しく読み解くことで,診断から治療へと結びつけることが可能な時代になりつつある.一方で,NF1における乳癌リスクや悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)リスクなど,知識としてアップデートし続けなければならない情報も数多い.1人1人の患者と丁寧に向き合うことの重要性もまた,増している.本特集を通じて,NF1診療のアップデートに少しでも貢献することができれば幸いである.
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